同じ仏教のお葬式でも、宗派が違えば当たり前もけっこう違う!そんな驚きや疑問を持っている方のために、焼香や数珠、仏壇仏具の特徴まで、代表的な仏教宗派ごとにやさしく解説します。
主な仏教宗派の違いと特徴

仏教にもたくさんの宗派があり、それぞれのお葬式や日常のお参りスタイルがちょっとずつ違います。焼香は何回?お線香は立てる?寝かせる?、法事やお葬式で、焼香の作法が分からない…と緊張している方、多いです。
浄土宗(じょうどしゅう)
浄土宗は「南無阿弥陀仏」を唱えて、極楽浄土を願う宗派。お葬式ではお坊さんの読経と焼香が中心で、仏壇には阿弥陀如来が祀られています。焼香は1~2回が一般的です。
- お線香・焼香:
お線香は1本を立てて供えるのが基本です。焼香は1回~2回。 - 数珠:
男性用・女性用で房の数や大きさが違いますが、基本的な使い方は共通です。 - 仏壇・仏具:
本尊は「阿弥陀如来」。脇仏は法然上人や善導大師が多いです。 - おりん:
合掌前後に1回ずつ鳴らすことが多いです。
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
浄土真宗は「念仏」を強く重視し、「阿弥陀如来」をご本尊とします。お葬式の焼香は必ず1回、お線香は2~3本に折って寝かせて供えるのが特徴です。金仏壇を置く家も多いです。
- お線香・焼香:
- お線香は2~3本に折って立てずに横に寝かせます。焼香は1回のみ。
- 数珠:
浄土真宗専用の数珠(輪が2つ重なったもの)を使うことが多いです。合掌時は両手で数珠を包むように持ちます。 - 仏壇・仏具:
本尊は「阿弥陀如来」。金仏壇が多いのも特徴です。 - おりん:
読経前後などに1回ずつ鳴らす。合図の意味合いが強いです。
真言宗(しんごんしゅう)
真言宗は「大日如来」を本尊に、祈りや供養を重んじる宗派です。焼香やお線香は3回・3本立てが多く、仏具も華やかで厳かな雰囲気があります。
- お線香・焼香:
お線香は3本立て。焼香は3回行います。 - 数珠:
専用の大きめの数珠を使うことも。左手で持つのが基本。 - 仏壇・仏具:
本尊は「大日如来」。仏具も華やかです。 - おりん:
合掌前後や読経の節目ごとに鳴らします。
曹洞宗(そうとうしゅう)
禅宗の一つで、「釈迦如来」や「達磨大師」を祀ります。焼香は2回が基本で、1回目は額におしいただきます。仏壇やお参りもシンプルで落ち着いた印象です。
- お線香・焼香:
お線香は1~2本立て。焼香は2回。1回目は額におしいただきます。 - 数珠:
シンプルな一連の数珠を使います。左手で持つのが正式。 - 仏壇・仏具:
本尊は「釈迦如来」や「達磨大師」など。 - おりん:
読経の区切りや合掌時に1回ずつ鳴らします。
臨済宗(りんざいしゅう)
臨済宗も禅宗の一つ。基本的に「釈迦如来」を祀り、焼香は2回。数珠や仏具もシンプルで実用的なものが多いです。
- お線香・焼香:
お線香は1本立て。焼香は2回(1回目は額に、2回目はそのまま)。 - 数珠:
一連数珠を左手で持ちます。 - 仏壇・仏具:
本尊は「釈迦如来」が一般的。 - おりん:
曹洞宗とほぼ同じで、読経や礼拝の区切りごとに鳴らします。
日蓮宗(にちれんしゅう)
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」のお題目を大切にし、仏壇には「曼荼羅本尊」を祀ります。焼香は3回が基本で、専用の数珠(撥ね珠)を使う家も多いです。
- お線香・焼香:
お線香は3本立てるのが一般的。焼香は3回。 - 数珠:
日蓮宗専用の房が多い数珠(撥ね珠)が特徴。持ち方は両手で。 - 仏壇・仏具:
本尊は「曼荼羅本尊」や「大曼荼羅」。 - おりん:
読経の始まりや終わりに鳴らします。
天台宗(てんだいしゅう)
「阿弥陀如来」「釈迦如来」「薬師如来」など、複数の本尊をお祀りします。焼香やお線香は3回・3本が一般的で、伝統的な数珠や仏具も特徴です。
- お線香・焼香:
お線香は3本立て。焼香は3回、ゆっくりと行います。 - 数珠:
伝統的な天台宗の数珠を使うことも。左手で持つのが基本。 - 仏壇・仏具:
本尊は「阿弥陀如来」「釈迦如来」「薬師如来」など宗派によってさまざま。 - おりん:
合掌や礼拝の前後、読経の区切りごとに鳴らします。
実際の現場では、「前の人をよく見て、同じ回数だけ香をくべる」だけで十分。宗派によっては焼香の回数が違いますが、万が一間違えても、「ご遺族も参列者もほとんど気にしない」ことがほとんどです。
ある葬儀社さん曰く
「焼香のやり方が分からずにオロオロしている方をよく見ますが、皆さん心を込めて祈ることを一番大事にしています。失敗しても、誰も責めたりしませんよ!」
宗派ごとの数珠・仏壇仏具・おりんの特徴

数珠の形や仏壇仏具、おりんの特徴など、こちらも、宗派ごとに意外な違いがあります。
浄土宗の数珠・仏壇仏具
数珠はシンプルな形が多く、左手にかけて合掌。仏壇には阿弥陀如来がご本尊。おりんは読経や合掌の前後に鳴らします。
浄土真宗の数珠・仏壇仏具
専用の「輪が2つ重なった数珠」を使い、両手で包むように持ちます。金仏壇が多いのも特徴。おりんは合図や区切りに使います。
真言宗の数珠・仏壇仏具
大きめの数珠を左手で持つのが基本。仏壇には大日如来がご本尊。仏具も華やかです。
曹洞宗の数珠・仏壇仏具
シンプルな一連数珠を左手に。仏壇には釈迦如来や達磨大師が祀られます。おりんも読経の区切りで鳴らします。
臨済宗の数珠・仏壇仏具
一連数珠を左手に持ちます。仏壇には釈迦如来が一般的。おりんの使い方も曹洞宗とほぼ同じです。
日蓮宗の数珠・仏壇仏具
「撥ね珠」と呼ばれる特殊な数珠を両手で持ちます。仏壇には曼荼羅本尊。おりんは読経の始めと終わりに鳴らします。
天台宗の数珠・仏壇仏具
伝統的な天台宗数珠を左手に持つのが基本。仏壇にはご本尊(阿弥陀如来・釈迦如来・薬師如来など)。おりんも礼拝や読経の区切りで使います。
お寺との付き合い方・トラブル回避法

お葬式や法要をお願いする時、お寺との関係に悩む方も多いもの。お布施はいくら?、こんな時どうしたら?と迷った時のポイントを説明します。
お寺とのお付き合いのコツ
困った時はまず相談
お布施の金額や渡し方、法要の日程など、分からないことは「初めてなので教えてください」と遠慮なく聞いて大丈夫です。ほとんどのお寺は、親切に教えてくれます。
日ごろのご挨拶も大切に
法事やお彼岸の時はもちろん、普段から「いつもありがとうございます」と声をかけたり、お寺の行事に参加したりするとスムーズな関係が築けます。
トラブル回避のポイント
お布施や寄付の金額でもめたとき
相場が分からず不安な場合は、親戚や近所の人、葬儀社に聞いてみましょう。「この地域だとこれくらいが一般的ですよ」と教えてくれるはずです。
寺院との連絡ミスや誤解
法要やお葬式の日程・時間は必ず「書面で」確認し、お互いに間違いがないようにしておきましょう。
無理なお願いは早めに相談
都合が合わないときや、金銭面で難しいときは正直に相談を。多くのお寺は柔軟に対応してくれます。
こんな時どうする?
遠方のお寺で法要をお願いする場合
移動が大変なら「出張読経」を相談してみたり、分からないことは事前に電話やメールで聞いてみましょう。
菩提寺が分からない・付き合いがない時
地元の葬儀社や親戚に「うちの宗派や菩提寺、分かりますか?」と尋ねるのが早道です。
よくある質問Q&A

Q. 葬儀や法要に出るとき、焼香の回数や手順が分からない場合どうしたらいい?
A. 焼香の回数ややり方は、宗派や地域によって本当にいろいろ。迷ったときは、前の人の動きをさりげなく見て同じようにすれば大丈夫です。
分からないことを「初めてなので教えてください」とその場で聞いても、誰も嫌な顔をしません。
気持ちがこもっていれば、形式にとらわれすぎなくても大丈夫です。
Q. 仏壇が小さいorスペースがなくて本格的な仏壇を置けません…どうしたら?
A. 最近はミニ仏壇や、棚の上に小さなご本尊とお位牌だけを祀る“簡易スタイル”も一般的になっています。
「大きな仏壇がないから失礼」なんてことはありません。「手を合わせて供養したい」という気持ちが何より大切です。
Q. 家族に他宗派の人がいる場合、お葬式や法要はどうすればいい?
A. 最近は、親世代と子世代で宗派が違う、というケースも増えています。基本的にはその場の中心になる家(施主)やご先祖の宗派を優先して行うことが多いですが、話し合って両方の流儀を少しずつ取り入れることもできます。困ったときはお寺や葬儀社に相談すれば、ちょうどよい折衷案を提案してくれることも多いです。
Q. おりんを鳴らすタイミング、何回鳴らすのが正解?
A. おりんの鳴らし方も宗派や地域、さらにお寺や家庭によって細かく違います。たとえば、「合掌の前後に1回ずつ」「お経の区切りごとに」「お坊さんの合図で」などパターンは色々。迷ったら、読経のリードに合わせるか、他の人が鳴らすタイミングを参考にすればOKです。
Q. 仏壇や数珠、仏具を買い替えるタイミングやマナーは?
A. 汚れや傷みが気になったときや、引越しなど生活の節目で買い替える人が多いです。処分の際は「お寺でお焚き上げ」や「仏具店で引き取り」などを利用できます。古い仏具への感謝の気持ちを込めて、お別れするのがマナーです。
おまとめ

宗派別のお葬式ルールは、思ったより違いがあるもの。焼香やお線香の作法、数珠や仏壇の選び方、おりんの鳴らし方まで、それぞれの宗派ごとに「うち流」がたくさんあります。
とはいえ、一番大切なのは「気持ちを込めて、故人やご先祖を大切に想うこと」作法やマナーが分からなくても、困ったときは「教えてください」と相談すれば大丈夫です。
迷うことや戸惑うことも多いですが、どんなやり方でも「家族や自分らしいお参り」が一番の供養です。宗派や地域の違いを知りつつ、無理のない範囲で「うちの形」を見つけてみてくださいね。








